行動経済学入門

経済学と心理学の中間に位置すると言われる行動経済学についてしっかりと学んでいきたいと思います。

スゴい!行動経済学

橋本之克 による「世界最前線の研究でわかる! スゴい!行動経済学」。

人間は不合理な生き物。
例えば、つまらないものに愛着を感じて捨てられず、非常ベルが鳴っても周りが動かなければ避難せず、損するとわかっても買ってしまう……。


行動経済学は、そんな人間の心理や行動を、心理学と経済学の両面から解き明かします。


さらに、不合理だからこそ愛すべき人間の生き方から、社会の在り方まで、さまざまな現代の問題に対する「解決の糸口」を与えてくれます。


効率や利益ではなく人間重視へと変化する今の時代だからこそ、最新の行動経済学の研究に注目が集まっています。


本書では、人が行動する原理や、不合理な選択の理由はもちろん、現代社会が直面する問題解決に役立つ研究成果を紹介します。


主な項目:

  • 老後年金2000万円問題の炎上で、トクする人々
  • 勝ち組プラットフォーム企業(GAFA)が追及すべきは利益か?モラルか?
  • サブスクリプションがじわじわ浸透している舞台裏
  • シェアリングエコノミーの発展を邪魔するズルい人々
  • 自由から逃走するフリーランサーの心理
  • ユーチューバーになりたがる子供の言い分
  • 30年分の借金を負わせて新築住宅を買わせるマインドコントロール
  • 米国ノーベル経済学賞受賞学者に「相田みつを」が愛される理由

「幸せ」をつかむ戦略

世界的ベストセラー「予想どおりに不合理(PREDICTABLY IRRATIONAL)」でおなじみの
行動経済学の権威であるダン・アリエリー(デューク大学教授)が語った、前代未聞の衝撃的幸福論。


本当の幸せはお金や地位ではなく、自分の意思で自由に振る舞えることにあるのでは・・・。


日本を代表するマーケティングのプロ・富永朋信は壮大な問いの答えを求めてカナダ・トロントまで飛び、ダン・アリエリーのもとを訪れ、消費から夫婦関係、子育て、従業員のモチベーションに至るまで「幸せ」に関する8つの質問に対し、ダンが語った驚くべき回答とは?


  • なぜアマゾンが超便利なのに、「本屋に行きたくなる」のか?
  • 「パートナーとの関係」が年々悪くなるのはなぜ?
  • 初めて付き合った相手と「結婚」した人と、10人と付き合った末に結婚した人はどっちが幸せ?
  • 「子育ての辛さ」を軽減し、喜びや幸せをより実感できる方法は?
  • 消費者や従業員に「愛される企業」になるには?
発行元:日経BP社
発行日:2020年2月18日
ISBN:9784296105649
ページ数:224
サイズ:四六判
原著者:富永朋信 著、ダン・アリエリー その他

ナッシュ均衡

現代のゲーム理論を理解するためにはナッシュ均衡という概念がキーコンセプトなのだそうです。


そもそもゲーム理論においては「個々の主体は自分の利益を最大化するよう意思決定を行う」ことが前提とされていて、個々の主体は自分の利益が最大になるような行動、つまり「最適反応」を取ります。




そしてゲーム理論においては、ゲームプレイヤーがそれぞれに別の戦略をとったとしても利得は増えないと判断したとき、各プレイヤーは戦略を決定し、他に戦略に変更しようとしなくなります。
このことを「ゲームの解」と考えるのですが、ゲームには均衡点が必ず存在するという考え方があり、その考え方を「ゲームの均衡」といって、ゲームの均衡点においては、それ以外の点では利得が減ってしまうため、ゲームに参加しているプレイヤーは戦略を変えようとしません。


つまり、この均衡点が「ゲームの解」となるのです。
ですので、有効な戦略を決めるためには、いち早くナッシュ均衡を見抜くことが大切なのだそうです。


なんだか難しそうですが、乱暴に言ってしまえば、自分自身のためだけにもっとも利得となる「ゲームの解」を求めたとしても、どこかの部分で、それ以外の思惑、つまり別のプレイヤーの意志により、望んでいる方向へと進まなくなってしまうポイントが生まれてきます。


別のプレイヤーはその時点で利得を得ないわけですから、こちらの思惑に付き合ってくれるわけがありませんよね。


つまり複数のプレイヤーたちがもっとも利得を得られるポイントのことを「ナッシュ均衡」と考えたほうが良く、性質上1つの解ではなく複数存在することもあります。
また、その反対に、解が常に存在するということもなく、プレイヤーが多ければ多いほど、その「答え」を導くのが難しくなるでしょうね。