行動経済学入門

経済学と心理学の中間に位置すると言われる行動経済学についてしっかりと学んでいきたいと思います。

ナッジの力 -企業や政府が行動科学を使って行動に影響を与える方法-無料ダウンロード資料

Attunedの行動科学者 ブランドン・ロウトマンによる最新のホワイトペーパーが公開されました。

ナッジの力

入門者から専門家までを対象として、企業や政府が、人々のよりよい決断を後押しし行動を変えていく「ナッジ」という考え方を活用していくうえで欠かせない知識について、英国や米国政府などのナッジ・ユニットで活躍した著者が解説しています。



「部下の主体性がない」「いつまでも若手が受け身のまま」などという管理職の悩みを解決するために、“部下の背中をそっと後押しするナッジ”を企図することはできないものでしょうか?このような問題意識を持つ人のために書かれたのが、このホワイトペーパー。
2017年、シカゴ大学のリチャード・セイラー教授が、行動経済学の分野での功績によりノーベル賞を受賞、彼が開発に携わった「ナッジ」(nudge:そっと後押しする)という概念が、世界中の政府や企業の間で注目を集めていて、このナッジというのは、経済的なインセンティブを変えたり、行動を禁止したりすることなく、人に影響を与える環境を意図的につくり出し、意思決定に影響を与える方法のことで、いまでは、ナッジを活用した政府や非営利団体、国連をはじめとした国際組織は、世界中で202の公共政策団体が確認されているほか、企業においても、ナッジの活用が進んでいます。

自治体の政策ナッジをシェアするウェブサイト

行動経済学の知見に基づいて「行動変容」を促すナッジへの関心が高まっており、住民サービスの向上や日々の業務の効率化のために、ナッジを活用しようとする地方自治体も増えてきています。


そんな中、ナッジを体系的に学び、実践から得られた知見を共有する場所があれば、ナッジの活用がさらにすすむのではないかという考えのもと、地方自治体から政策を変えることを目指す特定非営利活動法人Policy Garage(代表理事 津田広和/以下Policy Garage)、大阪大学社会経済研究所、行動経済学会が連携して、ウェブサイト「自治体ナッジシェア」を立ち上げました。




ナッジを実践した自治体職員が実際に苦労した経験や、そこから得られた知見を共有できるプラットフォームとなっており、毎月一回オンラインで開催されるPolicy Garageの研究会に参加する約100人のメンバーからフィードバックをもらいながらアジャイルに構築。


異なるウェブサイトに散らばったナッジに関する記事の中から、メンバーが特にオススメのものを厳選し、参考ポイントを添えて掲載することで、興味関心のある分野の情報が探しやすくなるなど、実際の行政現場での使いやすさが特長となっており、本ウェブサイトが、政策を体系的に学ぶ場を提供するとともに、ナッジをきっかけに、自治体職員同士のつながりの輪が広がり、全国の自治体が一体となることで「自治体政策の未来」が切り拓かれることを願っています。

こども行動経済学 なぜ行動経済学が必要なのかがわかる本

人間の思考のクセを知れば、かしこく行動できる人になれる!

新刊「こども行動経済学 なぜ行動経済学が必要なのかがわかる本」(犬飼佳吾 監修、バウンド 著)が2022年7月15日に発売されました。


行動経済学は、人間が合理的には行動しないことに着目し、従来の経済学ではうまく説明できなかったことを心理学の要素も加えながら人間の行動を観察することで捉えようとする、より実践的な経済学で、損得についてきちんと考え、合理的な行動を選択できる力を育みます。
その考え方はさまざま場面で応用することができ「こどもシリーズ」は、家庭内コミュニケーションを推進することを目的とし、日常生活からの事例を交えるなど、親子が会話をするきっかけとなるテーマを吟味しています。


こどもをこども扱いせずに、対等に話し合える環境を大人がつくることも大切な家庭教育です。

「はじめに」より

よりよい選択ができる「選択の達人」になろう!
自分の人生や社会をよりよいものにしよう!


私たちは日々、とてもたくさんの選択をしています。どんな服を着るか、何を食べるか、ゲームをするかそれとも勉強をするか、といったように比較的小さな選択もあれば、ときには人生を左右するような重大な選択もあるでしょう。一つひとつの選択が小さなものであれ大きなものであれ、選択を積み重ねることで、あなたという人間が形づくられているともいえます。


行動経済学は、人々がどんな選択をするのか、選択するときにどんなことを考えているのかを調べて研究する学問です。選択を研究するとはどういったことでしょうか。行動経済学ではおもに2つの考え方にもとづいて選択に関する研究を行います。


ひとつめの考え方は、正しい選択とは何かを考えることです。どんな人であっても間違いのない正しい選択をしたいと望むでしょう。行動経済学では、合理的な人間であればどういった選択をするかという経済学的な考え方をもとに正しい選択とは何かを考えます。


ふたつめの考え方は、観察や実験を通じて、人がどんな選択をするのかを調べることです。私たちは、いつも正しい選択ができるわけではありません。誘惑に負けたり、適当に考えて選択してしまうこともしばしばあります。このように、私たち人間が持っている選択のクセにはどういった特徴があるのかを調べることも行動経済学の研究のテーマです。


では、行動経済学を学ぶとどんなよいことがあるでしょうか。行動経済学をじっくり学ぶと選択の達人へと近づくことができるでしょう。人はだれしも正しくてよい選択をしたいものです。重大な決断をするときは、友達や両親、先生に相談しますよね。インターネットを使っていろんな情報を収集することもあるでしょう。


でも、いろいろな意見を聞いてみたり情報収集をしてみると、選択に関する情報が多すぎてかえってどれがよい選択なのかわからなくなってしまうこともあります。そうしたとき、行動経済学の考え方を使うと目の前の情報が整理され、よい選択をするための手かがりを得られるでしょう。人生は選択の連続ですから、行動経済学を学び、選択の達人になることで、みなさんの人生がより豊かなものになるかもしれません。


ここまでは自分の選択をよいものにするために、行動経済学を使ってみることを考えてみました。ここでもう少し視野を広げて、私たちが暮らす社会のことを考えてみましょう。


行動経済学を使うと友人や周りの人々がよい選択をできるようなお手伝いができるかもしれません。行動経済学で人々の選択や行動をよりよいものにするためのサポートをすることも研究されています。自分のことだけでなくて、みなさんが生活する社会をよくするためにはどんなことが必要かを思いめぐらしてみることは、難かしいけれどもとても大切なことです。


今、私たちが暮らす社会はものすごい速さで変化しています。このような変化のなかで、自分と社会にとってよい選択がどんなものかを考えることは、みなさん自身の人生だけでなく、私たちが暮らしている社会をよりよいものにするきっかけになると思います。


この本を手に取ったという選択が、あなたの人生をよりよいものにしたり、よりよい社会を考えるきっかけになってほしいという願いを込めて、この本をみなさんに届けたいと思います。