前田壮一の行動経済学入門

経済学と心理学の中間に位置すると言われる行動経済学について前田壮一がしっかりと学んでいきたいと思います。

行動経済学とマーケティングは結びついている

経済学者たちの多くは、マーケティングについてあまり言及することはありませんが、稀にアメリカン・エコノミック・レビューなどに広告宣伝や保証についての記事が掲載されることがあります。


しかし、ほとんどの経済学者にとって、マーケティングは経済の1側面であり、冷笑的な経済学者であれば、マーケティング活動が経済の効率を損なうとまで考えています。




まぁ、考えてみればプロモーションは真の価格を歪め、消費者がそのものの真の価値を見失い、そのブランド名で購入してしまうというようなことにもなりますからね。


とはいえ、マーケティングは経済学によって始まり、これらの経済学者は、卸売業者、雇用者、代理店、小売業者が経済で果たした役割を調べようとしていました。
また、さまざまな宣伝ツールの宣伝、販売割引、保証、保証書を分析し、実際に需要を満たすことができたのかどうかを判断したいと考えていました。 


古典的な経済学者は本質的な経済活動として、本格的な市場調査をしなかったため、それをマクロ経済理論またはミクロ経済理論に適合させることができませんでした。


皮肉なことに、古典的な経済学者はマーケティングツールや戦略の数学的分析をあまり行っていませんが、マーケティング学者は市場経済に対して非常に興味深く複雑な分析を行っています。 


そして近年、古典的な経済学が新しい競争相手である「行動経済学」に直面し、反論を受けています。


というのも行動経済学は「消費者余剰最大化行動」という合理的かつ無駄がない消費者の行動を全面否定しています。


経済的意思決定モデルを構築するためには、利潤や利益を最大化することが鍵となっていて、経済学者は、消費者が基本的に満足しており、消費時間を最短に抑えることができるということが前提となっているのですが、実際には、このような振る舞いはあまりに数学的であり、実際のヒトの行動には現れにくく、科学な経済学の主張は正しいようには思えません。 


行動経済学者は、消費者と生産者が最大化主義者であると仮定するのではなく、異なるマーケティングにおいて、ヒトが実際にどのように行動するかを研究しなければならない。
これには多くの経験的データが必要となってきます。
そしてこれらのデータを分析するにあたって、非理性的、非合理的な行動の多くの例を認識することにつながります。


スターバックスで、他よりも高いコーヒーにお金を払っている人たちをどのように説明しますか?


経済学者が、消費者の選択を実際に研究し説明しなければならないとすれば、必然的にマーケティングを理解すべきです。


マーケティング担当者は、消費者が「何を購入するのか」「どのように購入するのか」「なぜ購入するのか」を考え、それらに関するデータを収集してきました。


結論として、行動経済学は密接にマーケティングと結びついていて、もっと大げさに言えば、マーケティング担当者は行動経済学者とも言えます。


古典的な経済学は「利益を最大化することを目指している」と述べているのですが、これらはあくまでも理想的な考え方であり、人間という複雑な思考を持ったヒトの行動をないがしろにしがちです。

振り込んでしまう心理

振込詐欺って、なんで払ってしまうのだろう??
ニュースなどを見ていると、絶対に感じる思いですよね。


しかし、詐欺をする人間は人間の心理を読み人の弱さにつけこんでくるのが上手なんですよね。


よくある手口として、最初に高額の金額を要求しています。
例えば「400万円払え」などと要求されたとしましょう。
ところがそんな大金払えるわけがありませんし、被害者は「そんな大金は払えない」と突っぱねます。


しかし、その後やり取りのあった後「払えないなら仕方ないから、示談金として10万円で済ましてやる」などと話をされると、なぜか払ってしまうというようなケースがあるのだそうです。


これは最初に要求された金額「400万円」の支払いが参照基準点となり、10万円の支払いはマシに思えてくるのだそうです。


不思議ですよね。
もともとが一切関係のない支払いにもかかわらず、400万円の損出だったものが10万円で済むという、わけのわからないお得感によって支払ってしまうなんて本当に馬鹿げてしまいます。


しかしこれは、客観的にストーリを追いかけているから、そのように思うわけで、実際に自分の身に起こった場合、残念ながら「損しているのに得した気分」になってしまう人もいるのだそうです。


本当に恐ろしいものです。

損失を嫌がるために大損してしまう

人は、誰しも損失を回避したいという傾向があります。


まぁ、当然といえば当然ですよね。
はじめから損したいなんて思っている人がいるわけありませんし、そんな人がいたら、紹介してほしいくらいです。




人は無意識に「得することよりも損すること」を避けようとするのですが、これを行動経済学では「損失回避性」といいます。


さて、ここで問題なのですが、


50%の確率で1万円貰えるのですが、50%の確率で1万円払わなければならないというゲームがあったとして、あなたなら、このゲームをやりますか?


1万円という金額を貰うか、支払うかのゲームなのですが、恐らく大抵の人は「やらない」のではないでしょうか?


1万円という金額を貰うか、支払うかの期待値は±0なので、数字的には「参加しても参加しなくても、どちらでも良い」という結論になるのですが、これが人間の場合、簡単には割り切れないところがあります。


というのも、1万円を失うかもしれないという恐怖が、1万円を貰えるというプラス感情よりも意識されてしまうため、躊躇してしまうのです。


このゲームを「やるか」「やらないか」の比率をほぼ同じにするためには、先の金額の比率を変える必要があって、50%の確率で1万円が貰える、50%の確率で4千円を失うという条件になって初めて同じくらいの比率になるのだそうです。


というのも、人が損失に対する感度は、利益を得る場合の2.5倍ぐらいなのだそうで、それほど損をすること対する恐怖が大きいのです。


まぁ、こればっかりは数字上での計算だけではなく、損得が絡んでくることですから、よほどのお馬鹿さんじゃない限り、極力損をしない方向を選んでしまいますよね。


まぁ、仮に気軽に考え、ゲームを行ったとしても、1万円損したときには、必ず「やらなければ良かった」「なんでやってしまったんだろう・・。」という後悔が襲ってくるはずですから。