前田壮一の行動経済学入門

経済学と心理学の中間に位置すると言われる行動経済学について私前田壮一がしっかりと学んでいきたいと思います。

貰って喜ばれるモノ

人にプレゼントする時、何を贈ったらいいのか悩みますよね。


相手の趣味や好みを理解しているわけでもないですし、自分の趣味を押し付けるのも不粋ですし、逆にプレゼントされる場合でも、欲しくないものを貰っても、そのときは嬉しいのですが、その後使うことがないなんてことはザラですよね。


しかし、経済学では「贈られて1番嬉しいもの」に対する答えは存在していて、どんな人であっても絶対に嬉しいモノがあります。


さぁ、それはなんでしょう??


まぁ、これについては自分が貰って嬉しいものを考えるとすぐに答えは出てきますよね。
答えは「お金」です。


とはいえ、「お金のやり取り」なんて、ことお金に対してキレイでありたい日本人にとっては、なかなかそのまま渡すなんてことはないですし、これもある意味、不粋の範疇にはいってしまいますよね。

喜び

行動経済学からの答え

「お金」が一番いいにも関わらず、不粋というのであれば、一体なにがいいのか??
実は行動経済学においては、「お金以上に喜ばれるかもしれないモノ」があるのだそうで、それは「相手にとって高すぎて、自分では買わないモノ」なのだそうです。


なんじゃ、そりゃ?なんて思ってしまいますよね。


しかし、これには合理的にお金を使っている人間の特性があるようで、人間は自分では気づかないうちに自分なりのモノに対する価格の上限を決めていて、その中で買い物しているのだそうです。


例えば、ワインなんかでは、自分のために購入する場合、なかなか高額なワインを購入することってありませんよね?
ワイン好きなら奮発して購入!なんてこともありますが、大抵の場合はなにかしらの記念日だからというように大義名分があるはずです。


やはり、通常飲みであれば、どうしてもいいところ2000円~3000円というところで落ち着くのではないかと思います。


もちろん5000円や1万円のワインが買えないワケじゃないんですよ。
ただ普段、一般的に飲むワインを購入する場合、自分なりにある程度の上限を決めておき、その中から選ぶようにしているのではないかと思います。


これはなぜかというと、自分のなりの上限額を超えて購入し続けていけば、今後の生活全体に影響を及ぼすという危険性を感じていて、生活が破綻しないように我慢しているのです。


そう考えると、プレゼントとして、5000円~1万円のワインを貰った時、とても嬉しいと思いませんか?
中には、お金で1万円貰うよりも、1万円のワインを貰ったほうが嬉しい!!!なんていう人もいるのではないでしょうか?


というのも、恐らく1万円を現金で貰ったとしても、あなたは1万円のワインを購入することはないでしょう。
現金1万円であれば、もっと他のモノを購入するために使うはずです。


(まぁ、かりに1万円のワインを購入したとしても損した気分にはなりませんし)


つまり、自分のお金で決して購入しないものを貰えると人は喜ぶのです。


個人的な話ですが、料理好きな人に、ちょっと変わった調味料やスーパーでは買えないオイルなどを贈ると、とても喜ばれた記憶がありますし、お酒好きな人であれば、ちょっと高級なもので十分、喜ばれます。


つまり、自分でも購入することはできるけど、その金額を払うのであれば別のことにお金を回すと思うようなモノであれば、相手は絶対に喜ぶはずです。


フレーミング効果

人が意思決定する場合、その絶対的評価で決定するのではなく、自分の基準点との対比において比較されるため、絶対評価とは異なる判断を導く可能性があるという効果のことなのだそうで、それは情報提供方法の違いやその人の心的構成によって、非合理的な判断をしてしまうのだそうです。


まぁ、ちょっとわかりづらいですよね。

まず、以下のような問題があった場合、あなたならどの対策を講じますか?

問題:米国が600人を死亡させると予想される珍しいアジアの疾病の流行に対して、AとBの2つの対策が準備されています。AとBはそれぞれ次のような結果が予測されました。


・Aの対策…200人が救われる。
・Bの対策…3分の1の確率で600人が救われるのに対して、3分の2の確率で誰も救われない。


 さて、どちらの対策を選びますか?


これは、1981年に行われた研究で発表された問題のようですが、なんと参加した回答者の7割が「A」の対策を選んだのだそうです。(ちなみに私もAでした。)


さて、同じ質問で、対策案が以下のような場合であれば、どちらを選びますか?

・Cの対策…400人が死亡する。
・Dの対策…3分の1の確率で誰も死亡しないのに対して、3分の2の確率で600人が死亡する。

ちなみに研究結果では「D」を選んだ人が8割もいたのだそうです。(私はD)


しかし、よく考えてみると、この質問、表現の違いがあるだけで、AとC、BとDは同じことを言っているんですよね・・・。


にも関わらず、多くの人は「A」と「D」を選んでしまう・・・。


つまりこのように表現方法によって判断が変わることを「フレーミング効果」というのだそうで、「人はポジティブになる問題か、ネガティブになる問題かを判断してから、選択を行っているのだそうで、「得」をする場面では確実な利益を求め、「損」思想な場面では、一か八かの選択を行うことが多いのだそうです。


まぁ、総勢600人の中で「200人が救われる」か「400人が死亡する」かって言われれば、同じことだとはいえ「救われる」というポジティブな言葉に対して反応してしまいますよね。


二度と戻らない時間とお金と労力

サンクコストというものがあって、英語表記だと「SUNK COST」、日本語訳だと「埋没費用」と言われていて、これが一体なんなのかというと、既に使ってしまった時間やお金、労力などのことで、もう二度と戻らないものを指します。


よくこのサンクコストで例えられるのが、映画。


映画館で映画のチケットを買って映画を見るのですが、10分立ったところでこの映画が全く面白くないことがわかります。


そのとき、あなたならどうしますか??


この場合多くの人は、「せっかくチケット代を払ったんだから」という理由で、見続ける人が多いのだそうです。


この場合、映画というのは大抵2時間ぐらいですから、先程見た10分を差し引いた「110分」と「チケット代」がサンクコストとなります。


ちなみに、10分で映画館を出た場合のサンクコストは「チケット代」だけということになります。


また、面白くないにせよ映画を見続けてしまう心理、つまり「チケット代がもったいないし、元を取らなければ!」という心理のことを「サンクコスト効果」というらしいのですが、個人的には、この映画の例え、イマイチぴんと来ないところがあるんですよね。


というのも、映画の場合、最初はダラダラとわけがわからないものだったのが、後半に進んでいくうちに、「なるほど!!」なんて思うものがありますし、最後まで観なかったために損をしたなんて経験もありますからね。

サンクコスト


ですので、一番わかりやすく身にしみる例えは「パチンコ」なんじゃないでしょうかね??


パチンコで買ったり負けたりの連続が続いているのですが「ここで止めて、他の人が出たら嫌だ」とか「ひょっとしたらもう1000円で大当たりがくるかも」なんていう考え浮かび、結局閉店まで粘り、結局、大負けしてしまったなんて経験はありませんか?


これがまさにサンクコストで、投下したお金とパチンコにかけた時間が無駄となってしまいます。


まぁ、ここは文面にしてしまえば簡単なんですが、実際、区切りをつけるタイミングってとても難しいですよね。


恐らく、多くの人はわかっているんですよね「このままじゃダメだ」ということを。


しかし、人間の弱さ、「もったいない」「損したくない」という考えから、ついついどツボにはまってしまうんですよね・・・。