前田壮一の行動経済学入門

経済学と心理学の中間に位置すると言われる行動経済学について私前田壮一がしっかりと学んでいきたいと思います。

行動経済学の知見を利用

行動経済学の知見を利用して、生活者に省エネ行動を促し、家庭部門のCO2排出量削減を目指す――


どうやら、日本オラクルと住環境計画研究所が、行動経済学を応用し、生活者に自発的な省エネ行動を促す実証実験を2017年度から5年間にわたって実施するのだそうですよ。


そもそもの発端は、環境省の「平成29年度低炭素型の行動変容を促す情報発信(ナッジ)による家庭等の自発的対策推進事業」の委託を受け、「パリ協定」における2030年度までに温室効果ガスの排出量を2013年度比で26%削減するという日本の目標数値達成に貢献するためのようですが、なんだか最近「行動経済学」の力が広がってきていますね。


今回の実証目的は、「生活者自身がエネルギー消費量に関心を持ち、自発的に省エネ行動を行う状況をつくること」にあるのだそうで、この「自発的な省エネ行動」を促すための手段として、行動経済学の理論の1つである「nude(ナッジ)」を活用するのだとか。


nude(ナッジ)


まぁ、フリガナがなければ「ヌード」と呼ぶところですよね・・・。
しかし、今回の場合の「nude」とは、英語で「ナッジ」と読み「そっと突く(押す)」という意味を持っていて、2017年ノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラー教授が生み出した行動経済学における理論の1つ。


これは、科学的分析に基づいて人間の行動を変える戦略のことで、面白いのが「人は的があると、そこに狙いを定める」という分析があるのだそうで、これを実証したのが、アムステルダムのスキポール空港の小便器なのだとか。


そもそもこの実験は、アムステルダムのスキポール空港の経費削減のために行われたようで、小便器の内側に一匹のハエの絵が描いたのだそうです。
すると、これまで床の清掃費が高くついていたものが、なんと8割も減少したのだとか。


これ、笑っちゃいますよね。


ほんの小さなことなのに、経費が8割も削減するなんて!!!


他にも、イギリスでは税金の滞納者に対して行う通知に対して「同じ地域内の住民の納税率を記載する」という実証を行っているのだそうで、様々な手法がありそうです。


確かに、人間って「気づき」なんですよね。


人間って、人から言われても絶対に言うこと聞こうとしませんが、ふと自分で気づいた場合、そこに意味を見出し、実践するということがあります。


この実証実験、せひとも成功して欲しいですね。




フレーミング効果

論理的に同じ内容であっても、その表現の仕方によって受け取り方がことなる現象のことをフレーミング効果といいます。


具体的にどういうことかというと、
ある手術を受ける場合、医師からの説明が、


「手術が成功して、助かる確率は90%です。」
「手術が失敗して、亡くなる確率は10%です。」


と言われた場合、2つの内容は同じことを言ってるのですが、耳障りが大きく異なりますよね。


どちらの表現であれば、あなたは手術を受けようと思いますか?


この場合、「助かる」という表現と「亡くなる」という表現が大きく判断に影響し、結論が異なってくることがあります。


つまり「ものは言いよう」というわけではありませんが、どの表現にスポットを当てるのかによって、相手に与える印象が大きく変わってきます。


人間は利益を得る場面では「リスクを避けて確実に手に入れること」を優先しるという傾向があり、反対に、損失を被る場面では「リスクを背負ってでも最大限に回避すること」を優先する傾向があります。


このような心理傾向を行動経済学では「損失回避の法則」「プロスペクト理論」と呼んでいます。


  • 「10人中、1人が参考にならなかった」お話。
  • 「10人中、9人が参考になった」お話

この表現方法、同じことを言っているのですが、あなたの受け取り方は真逆と言ってもいいのではありませんか?


ここで気をつけてほしいのは「フレーミング効果」というのは学術的で、自分達には関係ないというわけではなく、多くのメディアでは上手に使われているということです。


CMやテレビの表現などを注意深く聞いてみてください。
「素敵な印象を与えるために言葉をしっかりと選んでいるはずです。」


どんなときでも表現を別の言い方に変えて考えるということを行っても損はないと思いますよ。






今年のノーベル経済学賞

ちょっと時期が遅れましたが、今年のノーベル経済学賞が発表され、シカゴ大学のリチャード・セイラー教授が受賞しましたね。


実はこの方、身近な経済行動について心理学を交えて分析する「行動経済学」の権威で、代表作としては「準合理的経済学」と「セイラー教授の行動経済学入門」という本を執筆しています。


ちなみに「行動経済学」と銘打った受賞は、2002年のダニエル・カーネマン以来15年ぶりということになるのだそうですよ。


心理会計
このセイラー氏で有名な分野として「心理会計」というものがあるのですが、これは、人々は利得を喜ぶより損失を嫌がる程度が強いという「損失回避」をおカネの心理に応用したもので、私たちの心の中に一つ一つの行動から得られる損失や利益、費用等を計算し、それぞれの帳簿につける「心理会計(メンタル・アカウンティング)」の仕組みが存在しているのだそうです。


具体的な例としては、お昼ごはんの50円、100円の出費を出し惜しみするという一方で、数万円もするバックなどに対しての出費は惜しまないというような行動のことで、実際、これ、私にも当てはまります。


まぁ、昼食を食べてしまうと眠くなるから嫌だという理由もあるのですが、ここ数ヶ月、お昼ごはんを食べないようになりました。


もともと昼食を食べていた頃も、どこかへ食べに行くというよりも、近くのスーパーで500円程度で済ませようと心がけていましたし、こと毎日の食事に関しては出費を惜しんでいました。


しかし、つい先日、フラっと立ち寄ったお店に、とてもカッコいいバックが展示されており、それをついつい衝動買い・・・。


もともとバックが好きで、つい2ヶ月前にも買ったばかりなのに、5分で即決です。
しかもお値段も3万5千円という、かなりな贅沢品。


とはいえ、それほど気に入って買ったにも関わらず、まだ一度も使用していないんですけどね・・・。
もちろん、後悔なんてしていませんよ。
いつ下ろそうか、楽しみにしているくらいです。
(最近は雨がちで下ろす機会がなかなかありません。)


まぁ、私のような矛盾行為から、その他株価に対する行動などについても様々な見解の本を出されているので、一度読んでおくと、今後の人生の教訓になるかも知れませんよ。