前田壮一の行動経済学入門

経済学と心理学の中間に位置すると言われる行動経済学について前田壮一がしっかりと学んでいきたいと思います。

医療現場の行動経済学

医者と患者双方がよりよい意思決定をするうえで役立つ一冊!


医療現場での「決められない」「先延ばし」はなぜ起こってしまうのか?
 行動経済学を用いて理論的背景とその解決策が示されています!

医者「なぜ患者さんは治療方針を決められないのか」
患者「なぜお医者さんは不安な気持ちをわかってくれないのか」
人間心理のクセがわかれば、溝は埋められる!


「ここまでやって来たのだから続けたい」
「まだ大丈夫だからこのままでいい」
「『がんが消えた』という広告があった」
「本人は延命治療を拒否しているが、家族としては延命治療をしてほしい」
「一度始めた人工呼吸管理はやめられない」
といった診療現場での会話例から、行動経済学的に患者とその家族、医療者の意思決定を分析。
医者と患者双方がよりよい意思決定をするうえで役立つ一冊!
シェアード・ディシジョン・メーキングに欠かせない必読の書。


しかし、医療分野にまで行動経済学は入ってくると、ちょっと怖いなぁ。
できれば医療などは合理的であって欲しいものだが・・・。


現在志向バイアス

行動経済学には「現在志向バイアス」と呼ばれる理論があって、これは「未来の利益よりも目先の利益を優先してしまう心理のことで、以下のような質問があったとき、あなたはどちらを選びますか?


・今もらえる5万円
・1年後にもらえる7万円


一般的には「今からもらえる5万円」を選択する人が多いようで、その理由というのが、未来の喜び(7万円を手にする)を人はなかなか想像しにくく、逆に、目の前の利益が行動に影響を与えてしまうからなんです。


この現在志向バイアスに関する有名な実験としてマシュマロの実験があり、この実験は、
子供をマシュマロが1個だけ置いてある部屋に入れ、「帰ってくるまで食べなければマシュマロを2個あげる」と告げ、どのような行動を起こすのかを調べる実験なのですが、大抵の場合、2個のマシュマロをもらう方が価値があるにもかかわらず、子供は目の前の甘さの方を選ぶのだとか。



この実験でよく話題となるのが、老後の資金の積立で、老後資金といった将来の目標に向かって貯金を続けることが難しいのは、このバイアスのせいなのだそうですよ。


日本の場合、年金があるからいいやなんて考える人もいますが、年金だけで暮らす60歳以上の無職世帯は毎月4~5万円の赤字というデータも出ていますし、若いうちから老後のための資金は確保しておいたほうがいいでしょう。

行動経済学とマーケティングは結びついている

経済学者たちの多くは、マーケティングについてあまり言及することはありませんが、稀にアメリカン・エコノミック・レビューなどに広告宣伝や保証についての記事が掲載されることがあります。


しかし、ほとんどの経済学者にとって、マーケティングは経済の1側面であり、冷笑的な経済学者であれば、マーケティング活動が経済の効率を損なうとまで考えています。




まぁ、考えてみればプロモーションは真の価格を歪め、消費者がそのものの真の価値を見失い、そのブランド名で購入してしまうというようなことにもなりますからね。


とはいえ、マーケティングは経済学によって始まり、これらの経済学者は、卸売業者、雇用者、代理店、小売業者が経済で果たした役割を調べようとしていました。
また、さまざまな宣伝ツールの宣伝、販売割引、保証、保証書を分析し、実際に需要を満たすことができたのかどうかを判断したいと考えていました。 


古典的な経済学者は本質的な経済活動として、本格的な市場調査をしなかったため、それをマクロ経済理論またはミクロ経済理論に適合させることができませんでした。


皮肉なことに、古典的な経済学者はマーケティングツールや戦略の数学的分析をあまり行っていませんが、マーケティング学者は市場経済に対して非常に興味深く複雑な分析を行っています。 


そして近年、古典的な経済学が新しい競争相手である「行動経済学」に直面し、反論を受けています。


というのも行動経済学は「消費者余剰最大化行動」という合理的かつ無駄がない消費者の行動を全面否定しています。


経済的意思決定モデルを構築するためには、利潤や利益を最大化することが鍵となっていて、経済学者は、消費者が基本的に満足しており、消費時間を最短に抑えることができるということが前提となっているのですが、実際には、このような振る舞いはあまりに数学的であり、実際のヒトの行動には現れにくく、科学な経済学の主張は正しいようには思えません。 


行動経済学者は、消費者と生産者が最大化主義者であると仮定するのではなく、異なるマーケティングにおいて、ヒトが実際にどのように行動するかを研究しなければならない。
これには多くの経験的データが必要となってきます。
そしてこれらのデータを分析するにあたって、非理性的、非合理的な行動の多くの例を認識することにつながります。


スターバックスで、他よりも高いコーヒーにお金を払っている人たちをどのように説明しますか?


経済学者が、消費者の選択を実際に研究し説明しなければならないとすれば、必然的にマーケティングを理解すべきです。


マーケティング担当者は、消費者が「何を購入するのか」「どのように購入するのか」「なぜ購入するのか」を考え、それらに関するデータを収集してきました。


結論として、行動経済学は密接にマーケティングと結びついていて、もっと大げさに言えば、マーケティング担当者は行動経済学者とも言えます。


古典的な経済学は「利益を最大化することを目指している」と述べているのですが、これらはあくまでも理想的な考え方であり、人間という複雑な思考を持ったヒトの行動をないがしろにしがちです。