前田壮一の行動経済学入門

経済学と心理学の中間に位置すると言われる行動経済学について私前田壮一がしっかりと学んでいきたいと思います。

囚人のジレンマ

ある犯罪を犯した容疑者2人がいて、それぞれが別室で尋問されています。
そこでは以下のような取引を持ちかけられているのですが、その取引は容疑者2人に平等に持ちかけられているということを容疑者2人は知っています。


  • 自分だけが自白すれば、懲役1年
  • 相手だけが自白すれば、懲役15年
  • 二人とも黙秘すれば、懲役2年
  • 二人とも自白すれば、懲役10年


さて、あなたならどうしますか??


これ、かなり難しい選択を強いられますよね。
相手のことを考えずに選択するのであれば「自分だけが自白すれば、懲役1年」を選択したいところですが、もし相手も同じ考えで「自分だけが自白すれば、懲役1年」を選んだ場合、結果二人とも「二人とも自白すれば、懲役10年」となってしまいます。


さて今度は「二人とも黙秘すれば、懲役2年」が良さそうですが、相手が「自白」しないとも限りませんし、最悪の場合「相手だけが自白」となり、自分だけが懲役15年となってしまします。


それでは、相手が「自白」しないことに期待して「二人とも自白すれば、懲役10年」を選びますか??
上手く行けば、自分だけ「懲役1年」となりますが、相手が「自白」しないという根拠もありませんし、自ら「懲役10年」を選択するのは、なかなかできないことですよね。


これは、ゲーム理論や経済学において「個々の最適な選択が全体として最適な選択とはならない状況の例」としてよく挙げられる問題で、ゲーム理論におけるゲームの1つとなっています。


まぁ、この場合、容疑者2人にとっては、互いに裏切りあって懲役10年となるよりは、互いに強調しあって2年の刑を受ける方が1番なのですが、どうしても自分の利益のみを追求してしまうため、互いに裏切りあうという結果になるのだそうです。


しかし、これ、ゲームという感覚で考えるから気楽ですけど、実際にこのような状況下におかれた場合、また違った感覚が生まれてくるのか知れませんね。




利己性と利他性

自分のことだけしか考えない、自分の利益だけを追求するような自己中心的なことを利己性と言います。
言葉にするとかなり嫌な人間に思われるかもしれませんが、大なり小なり、人間は利己的な部分を持っています。


またこの利己的という言葉に対比する言葉として「利他的」という言葉があります。
まぁ、あまり日本語としては馴染みのない言葉ですよね。


しかし、これは英語では「altruism」と言って、どうやら英語ではよく使われる言葉なのだそうで、「利己的」とは真逆の意味、つまり「他人のために何かをする」性質や行動のことで、例えば、ボランティアや寄付行動などがこれにあたるのだそうです。


「利他的」て素晴らしい!!!


なんて思った方、実はこの「利他的」にも2つの意味合いがあるようで、ひとつは純粋に「他人が喜ぶのが嬉しい」というような見返りを望まない「純粋な利他性」と、その行動によって、相手からのお礼を期待したり、自分の正義感が満たされるというような「利己的な利他性」というものがあるのだそうです。


まぁ、そんなふうに見てしまうと、かなり意地悪になってしまいますけどね・・・。


でも、考えてみると、実際の生活においても、「あれほど親切にしてやったのに、なんの連絡もよこさない!!!お礼の一言もない!」なんてことは、ザラにありますよね。


これこそ「純粋な利他性」ではなく、「利己的な利他性」であり、一般的にはこのような思いは去来してしまいますよね。


受けた「恩」は返す、与えた「恩」は忘れる。


このような聖人的な考え方ができるようになるといいですね。


貰って喜ばれるモノ

人にプレゼントする時、何を贈ったらいいのか悩みますよね。


相手の趣味や好みを理解しているわけでもないですし、自分の趣味を押し付けるのも不粋ですし、逆にプレゼントされる場合でも、欲しくないものを貰っても、そのときは嬉しいのですが、その後使うことがないなんてことはザラですよね。


しかし、経済学では「贈られて1番嬉しいもの」に対する答えは存在していて、どんな人であっても絶対に嬉しいモノがあります。


さぁ、それはなんでしょう??


まぁ、これについては自分が貰って嬉しいものを考えるとすぐに答えは出てきますよね。
答えは「お金」です。


とはいえ、「お金のやり取り」なんて、ことお金に対してキレイでありたい日本人にとっては、なかなかそのまま渡すなんてことはないですし、これもある意味、不粋の範疇にはいってしまいますよね。

喜び

行動経済学からの答え

「お金」が一番いいにも関わらず、不粋というのであれば、一体なにがいいのか??
実は行動経済学においては、「お金以上に喜ばれるかもしれないモノ」があるのだそうで、それは「相手にとって高すぎて、自分では買わないモノ」なのだそうです。


なんじゃ、そりゃ?なんて思ってしまいますよね。


しかし、これには合理的にお金を使っている人間の特性があるようで、人間は自分では気づかないうちに自分なりのモノに対する価格の上限を決めていて、その中で買い物しているのだそうです。


例えば、ワインなんかでは、自分のために購入する場合、なかなか高額なワインを購入することってありませんよね?
ワイン好きなら奮発して購入!なんてこともありますが、大抵の場合はなにかしらの記念日だからというように大義名分があるはずです。


やはり、通常飲みであれば、どうしてもいいところ2000円~3000円というところで落ち着くのではないかと思います。


もちろん5000円や1万円のワインが買えないワケじゃないんですよ。
ただ普段、一般的に飲むワインを購入する場合、自分なりにある程度の上限を決めておき、その中から選ぶようにしているのではないかと思います。


これはなぜかというと、自分のなりの上限額を超えて購入し続けていけば、今後の生活全体に影響を及ぼすという危険性を感じていて、生活が破綻しないように我慢しているのです。


そう考えると、プレゼントとして、5000円~1万円のワインを貰った時、とても嬉しいと思いませんか?
中には、お金で1万円貰うよりも、1万円のワインを貰ったほうが嬉しい!!!なんていう人もいるのではないでしょうか?


というのも、恐らく1万円を現金で貰ったとしても、あなたは1万円のワインを購入することはないでしょう。
現金1万円であれば、もっと他のモノを購入するために使うはずです。


(まぁ、かりに1万円のワインを購入したとしても損した気分にはなりませんし)


つまり、自分のお金で決して購入しないものを貰えると人は喜ぶのです。


個人的な話ですが、料理好きな人に、ちょっと変わった調味料やスーパーでは買えないオイルなどを贈ると、とても喜ばれた記憶がありますし、お酒好きな人であれば、ちょっと高級なもので十分、喜ばれます。


つまり、自分でも購入することはできるけど、その金額を払うのであれば別のことにお金を回すと思うようなモノであれば、相手は絶対に喜ぶはずです。