行動経済学入門

経済学と心理学の中間に位置すると言われる行動経済学についてしっかりと学んでいきたいと思います。

ゲーム理論について

行動経済学は、人間は不合理な行動をするという観点で経済を見ることですが、適切な意思決定や戦略的思考に有効であるゲーム理論というものがあります。


ゲーム理論は、「プレイヤー」「戦略」「利得」という3つの要素によって構成されたものを「ゲーム」と考え、この枠組の中で捉えられるものをゲーム理論の対象として考えるもので、ゲーム理論の中に出てくる「プレイヤー」は合理的に行動を起こすものとして定義されています。



合理的な行動というのは、すなわち、十分な推理力を持ち、正しい行動を起こし、考え違いや思い違いなどを起こすことなく、自分の利得が最大となるような行動を常とし、損するようなことはしません。


ですので、このような前提があることによって、すべてのプレイヤーがどのような行動を起こすのかが予測することができ、戦略を練ることができるのです。


まぁ、行動経済学と真逆の位置にある学問ではありますが、こちらもなかなか面白いものでありますし、共通点などもあるようですから、少しずつ勉強していきたいと思います。

アンダーマイニング効果

自発的にやる気になっていたことにも関わらず、褒めすぎたり褒美を与えるなどした結果、かえってモチベーションが低くなってしまい、やる気を失わせてしまうことのことをアンダーマイニング効果というそうです。


例を挙げると、ボランティアでゴミ拾いをしている人に対して、金銭を渡してしまうと、その人は、次第にボランティアの気持ちが薄れていき、目的が金銭をもらうことになってしまったり、面白い話では、子供たちが壁に落書きをしているとおじいさんがその子どもたちにお小遣いを渡していったのだそうです。




それが何回か続いた後「お金がなくなった」といって、お小遣いを挙げることを止めたそうです。
すると、子どもたちは、落書きする意欲がなくなり、ついには落書きをしなくなったのだそうです。


つまり、好きでやっていた行動だったものが、報酬を与えられることによってやる気がなくなってしまう現象のことをアンダーマイニング効果というのです。


まぁ、これよくあるのが「好きなことを仕事にするのは良くない」ということではないでしょうかね?


よく人のことをみて「好きなことを仕事にしている人っていいよね」なんて羨ましく思ったりするものですが、実はそれは楽しいことではなかったりするんですよね。


つまり、その目的が「楽しむこと」から、報酬を与えられることによって「報酬をもらうこと」へ移行していくわけで、「楽しん」でいることなのに「報酬」をもらえないことに対する不満が出てくるわけです。


まぁ、この世の中「お金じゃない」と言い切りたいところですが、残念ながら「金」に対して私達の生活は支配されているんですよね。

医療現場の行動経済学

医者と患者双方がよりよい意思決定をするうえで役立つ一冊!


医療現場での「決められない」「先延ばし」はなぜ起こってしまうのか?
 行動経済学を用いて理論的背景とその解決策が示されています!

医者「なぜ患者さんは治療方針を決められないのか」
患者「なぜお医者さんは不安な気持ちをわかってくれないのか」
人間心理のクセがわかれば、溝は埋められる!


「ここまでやって来たのだから続けたい」
「まだ大丈夫だからこのままでいい」
「『がんが消えた』という広告があった」
「本人は延命治療を拒否しているが、家族としては延命治療をしてほしい」
「一度始めた人工呼吸管理はやめられない」
といった診療現場での会話例から、行動経済学的に患者とその家族、医療者の意思決定を分析。
医者と患者双方がよりよい意思決定をするうえで役立つ一冊!
シェアード・ディシジョン・メーキングに欠かせない必読の書。


しかし、医療分野にまで行動経済学は入ってくると、ちょっと怖いなぁ。
できれば医療などは合理的であって欲しいものだが・・・。